五輪延期で買われる銘柄、売られる銘柄
新型コロナウイルスの世界的流行により、中止案も浮上していた東京五輪・パラリンピックですが、3月24日に1年間の延期が決定。
31日には「2021年 7月23日~8月8日」の日程で開催する方針であると伝わりました。
中止となった場合、コロナの影響を含め、国内総生産が7.8兆円減少するとの見方もあり、日本経済へ未曽有の大打撃を与えるところでしたが、最悪のシナリオはどうにか免れました。
コロナウイルス懸念により売り込まれていた五輪銘柄ですが、延期決定による業績への影響、株価はどうなるのでしょうか?
材料出尽くしでどちらに動く・・・
延期決定後、五輪関連の多くは驚くことに大幅反発をみせていました。
大会関係者向けに数百室提供予定であった【9708】帝国ホテル 「+36.2%」
東京五輪のスポーツパートナーの【7936】アシックスは一時「+33.9%」
五輪関連の広告を一手に引き受ける【4324】電通グループ 「+17.7%」
※延期決定前日の株価から直近高値の上昇幅を計算
この推移を見る限り、五輪は「中止」になると想定していた投資家が多かったようです。
延期で済んだことで2021年の開催に向け再度、五輪特需がで盛り上がるとみた買いが進みました。
新型コロナウイルスによる暴落相場に巻き込まれた上に五輪中止という最悪のシナリオが想定されていただけに、株価は数年ぶりの安値まで沈んでいる関連銘柄が多くあります。
悪材料出尽くしとみた買いが入りやすく、長期で見れば妙味があるかもしれません。
もっとも、来期業績は新型コロナウイルスの影響を受けるのはほぼ確実ですので、買い付けるのは業績見通しが発表される4月末の決算シーズン通過後の方が賢明でしょう。
まだ手を出してはいけない関連株は・・・
今回の延期でもっとも悪影響が出てくるのは「インバウンド・旅行関連銘柄」とみられています。
新型コロナウイルスの影響で2月の訪日外国人観光客は108万5100人(前年同月比58.3%減)と大幅減少を記録。入国制限を設ける前でこの水準ですので、3月以降は更に厳しい状況となることでしょう。
そこに追い打ちをかけるように東京五輪・パラリンピック延期が決定。
夏までにコロナウイルスが終息し、東京五輪・パラリンピックの開催に一縷の望みをかけていたインバウンド関連には想像以上のダメージ受けているはず。
空運株の【9201】JALや【9202】ANAも連日売られている状況が続いています。訪日外国人だけではなく、国内の旅行者も見込めない中、インバウンド・旅行関連銘柄は当面弱含む展開が予想されます。
今月末には決算シーズンが本格化します。五輪関連やインバウンド関連の業績見通しは厳しいものとなるでしょう。
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