ゲーム株物色の真意は?世界を変える可能性も
【3667】enishがストップ高
【9684】スクウェア・エニックスが連日で高値更新
他にも、【6552】GameWithや【7803】ブシロードが買われるなど、8月に入りマーケットではゲーム株の動きが目立っています。
短期目線の個人投資家の投資対象となりやすいゲーム株。
全体の商いが低迷する中、【9434】ソフトバンクが公募価格を上回ったことで資金を取り戻した個人投資家たちの買いを集めている可能性があります。
しかも、ドイツでは8月20日~24日までの日程で、ゲーム見本市の「Gamescom」が開催されています。
新作発表などが相次いでおり、話題が豊富な点も関心を集めている理由でしょう。
日本では知名度が低いもののGamescomは、6月にアメリカで開かれる「E3」、9月に日本で開かれる「東京ゲームショウ」と並ぶ世界三大ゲームショウの1つです。
2018年の来場者数は37万人にのぼり、欧州のゲームファンが一同に集まるイベント。
開催タイミング的に年末商戦へ向けた新作が発表される事が多いので、E3や東京ゲームショウ以上に市況へ影響を与えることも珍しくありません。
開催2日目(8月21日時点)で、早くも世界の勢力図を大きく変えるかもしれない「気になるニュース」がございましたので、今週の「盲点を切る」にてご紹介致します。
参入表明続々!クラウドゲームが話題に!

米アルファベット傘下のグーグルがゲーム事業に参入すると発表したのは、記憶に新しいところ。
今年11月から提供を予定しているグーグルの「Stadia」は、“クラウドゲーム”と呼ばれる端末機器を必要としない、クラウドサーバー上で楽しめるゲームサービスです。
初期費用がかからず、スマホなどでも楽しむことができ、さらに、動画投稿などSNSとの連携が容易なので、普及に期待されています。
Gamescomでは、Stadia対応が予定されているゲームタイトルが発表され、日本企業の中でも【3635】コーエーテクモHDから「進撃の巨人2 -Final Battle-」の配信が明らかになりました。
このクラウドゲーム事業には、グーグルだけでなく、アマゾンやネットフリックス、フェイスブックも参入を検討しているとの話が浮上しています。
米半導体大手のNVIDIAに至っては、クラウドゲームサービス:GeForce NOWを発表。Gamescomでも主要プラットフォームとしてAndroid(OS)をサポートすることを明らかにし、Stadiaに真っ向勝負を仕掛けているのです。
米国の大企業が相次いで参入を検討している注目ビジネスに、日本企業に勝機はないように思えますが・・そこに【6758】ソニーが名乗りを挙げました。
ソニーの秘策。先駆者の名は誰の手に・・!

ソニーはXboxの米マイクロソフトと組んでクラウドゲーミングサービスの開発に着手。今回のGamescomでも、今年10月から提供開始を予定している「xCloud」を出展しています。
料金モデルなどは明らかにされていないものの、xCloudではXboxのゲームが遊べる計画とのこと。
ソニーも絡むのであれば、PS4や次世代機:PS5のゲームタイトルも利用できるでしょう。
You TubeやAndroidを抱える米アルファベットと比較すると、SNSや別デバイスとの連携という面ではStadiaに劣るものの、ゲームタイトルの充実という面では圧倒的にxCloudに分があります。
さらに、ソニーは19日、「スパイダーマン」や「ラチェット&クランチ」などのゲーム作品で知られる米インソムニアック・ゲームズの買収を発表しました。
Stadiaに対抗する形で、ゲームタイトルの品揃え強化を目的としており、10月の提供開始へ向けて期待が高まります。
ゲームが繋ぐアップルとマイクロソフト、夢の架け橋!
このクラウドゲーム戦争の行く末は、サービスが始まってみなければわかりません。
ただ、今回のGamescomにおける“NVIDIAの発表”から新たな可能性が見えてきました。
鍵を握るのはクラウドゲームを遊ぶ上で、メインプラットフォームとなる「OS」です。
OSとはOperating Systemの略で、コンピュータを動かしやすくするための基盤となるシステムを指します。
NVIDIAのGeForce NOWはAndroid、グーグルのStadiaも当然自社OSのAndroidを採用するでしょう。(※つまり、Android端末での利用がメインになる可能性が高いということです。)
となれば、ライバルであるxCloudが取る選択は1つ・・米アップルの「iOS」の採用です。
現在、世界中で普及するPCのおよそ9割がマイクロソフトOSのWindows。
一方で、スマートフォンのOSは、2年前まではアップルのiOSが7割程を占めていました。
しかし、中国のファーウェイの台頭により、Androidのシェアが高まり、iOS利用は全体の4割まで激減したのです。
アップルとしてもOSシェアを取り戻したいはず。
となれば、PCのOSで圧倒的なシェアを誇るマイクロソフト(ソニー)に協力し、クラウドゲーム普及に貢献。
iOSでの利用が中心となれば、自ずと採用機種の需要が増えることとなり、首位奪還が狙える・・と考えても不思議ではありません。
時価総額世界首位のマイクロソフトと二位のアップルが組んだとすれば、対抗できる企業など皆無でしょう。
そこに日本を代表する企業:ソニーがの技術力が加わることで、可能性は無限大に広がります。
まとめ
昨今のゲームは、家や特定の場所で子供だけが楽しむ娯楽ではなくなりました。
eスポーツや動画配信など、その経済効果は計り知れず、今回のGamescomでもスイスの内務省がゲーム産業普及の為に視察にくるほど。
日本が第一人者と言っても過言ではないこの産業が、世界の巨大企業を動かすかもしれないとすると、足元のゲーム株物色は、短期的なものではなく長期的な目線で買われているのかもしれません。。。
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