いまさら聞けない!『再生医療』がここまで注目されるワケ

今や、バイオ株の筆頭に君臨した【4592】サンバイオ。昨年10月には3000円程だった株価が一気に1万円台まで上昇し、「再生医療」関連物色の火付け役となりました。

開発中の脳神経再生細胞薬「SB623」が、脳内の神経組織に投与して自然な再生機能を誘発する画期的新薬として注目されたことが、急騰の要因とされています。

かつて、京都大学教授の山中伸弥氏がiPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した際も、再生医療が一躍脚光を浴びましたが、その実態については全く知らない、そもそもバイオなんてよく分からない、という方が多いのではないでしょうか。

今回は、いまさら聞けない再生医療の「現状」と「未来図」について、お伝えしたいと思います。

幅広い分野で実用化が進む『再生医療』

再生医療は、人体の組織や臓器を文字通り“再生”し、機能を取り戻す技術です。

実用化の面では、これまで皮膚や心臓などの分野が先行していました。すでに、年5000人程におよぶ重症やけど患者のうち、60人程度が再生医療技術を治療に生かしています。

足元では、【3002】グンゼが軟骨の再生を促す素材を欧州で発売するなど、膝関節の病気に応用する技術についても、商用化の段階に入りました。

また、札幌医科大学ニプロが開発した幹細胞を使う細胞製剤が厚生労働省に製造販売を承認され、これまでリハビリ以外に有効な治療法がなかった脊髄損傷についても、再生医療による治療が間近となっています。

人間だけでなく、犬や猫などのペットの治療に再生医療を応用する試みも進んでいます。名古屋大学発のスタートアップ企業が開発した、犬の椎間板ヘルニアを治す最先端の治療技術など、人間向けでは治療が難しい領域でも実用化への施策が進んでいます。

…と、ここまでは「現在」ないし「近い将来」のお話。視点を「近未来」まで広げてみると、現状からは想像も出来ないような世界が見えてきます。

3Dプリンターが可能にする「細胞団子」の再生医療

ユニークなところでは、佐賀大学医学部教授の中山功一氏らのグループが、「細胞の“団子”を剣山状の針に並べて刺して固定し、団子同士がくっつくのを待つ」という、全く新しい研究を行っています。

複数の細胞を1か所に集めると、自然に団子のような塊がつくられます。生成された「細胞団子」を、生け花で使う剣山のような無数の針に刺して串団子の状態しておくと、団子同士がくっついて、立体的な構造物が出来上がります。

細胞団子は数万個の細胞が集まってできており、直径は僅か約0.5ミリ。針に刺して1つ1つ積み上げるというのは、人の手では到底困難な作業ですが、独自開発されたバイオ3D(立体)プリンターがこれを可能にしました。

1~2年後には、この技術を用いてつくられた「人工血管」を、血液透析用として人体に移植する臨床試験が予定されています。

他にも、九州大では肝臓や軟骨、靱帯じんたい、長崎大では気管や食道、名古屋大では膀胱や尿道をつくる研究が進められています。

あらゆる細胞に分化できる「iPS細胞」(人工多能性幹細胞)を細胞団子に用いれば、理論上は人体の全ての器官を、同技術によって作ることが可能です。

生きた細胞から、血管や肝臓のような器官をつくる。実はこれ、再生医療の潜在力としては「道半ば」です。再生医療は、創薬(薬品の開発)の概念を、根本から覆す可能性を秘めています。

再生医療の「近未来」とは

現在の創薬の過程は、非常に複雑です。まず薬を合成し、研究室での実験→動物実験→治験(人体実験)という道のりを経て、ようやく市場に出回ります。

晴れて「デビュー」を飾ったとしても、予想外の副作用等により、逆に人体に害を与えてしまうケースもあります。

原因は、はっきりしています。「動物と人体」の違い、そして、同じ人間(ヒト)でも生じてしまう「個体同士」の違いです。

同じヒトでも、僅かな個体差が、薬の代謝や作用に大きく影響します。薬のパッケージの注釈に見られる「※効果には個人差があります」という、あれです。

再生医療の技術を用いれば、あくまで理論上ではありますが、こうした問題を「一掃」することが出来ます。

例えば、肝臓が悪いAさんという方がいたとしましょう。

Aさん本人の体細胞により作製されたiPS細胞から、先ほどの「細胞団子」の技術を用いて、「Aさんの肝臓」をつくります。

そして、この「Aさんの肝臓」を土台に治験(人体実験)を行えば、Aさん当人には全く副作用が発生しない、いわば「オーダーメイド」の薬品をつくることが可能となります。

これだけではありません。

例えば、すでに病気を患っている人から体細胞を抽出し、先程の「モデル」をつくれば、これまでのような治験(人体実験)を行うこと無く、研究室の中で同様の実験をすることが出来ます。

動物実験も要らない、個体差を無視した人体実験も要らない、その人その人に合ったオーダーメイドの薬が出来る…まだまだコスト面等、乗り越えるべき問題はありますが、ここまで明確に「先を見据える」ことが出来るのが、再生医療の世界なのです。

その再生医療が、いよいよ「実用」段階に入った…サンバイオがあそこまで急騰したのも、無理はないと言えるでしょう。

なお、再生医療関連を含め、個別有力株については期間契約プランでご提供しております。

お取り組みのタイプによって適したプランが異なりますので、詳しくは株マイスターサポートデスクまでお問い合わせ頂ければと存じます。

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